曹洞宗中国管区教化センターが主催する「今日のこころ 私のこころ」と題して、中国地方の民間放送、山陰地方では山陰放送(BSS)で日曜日の午前6時45分から5分間放送されている。日曜日の早朝ですがみなさんも聞いて頂いていると思います。
平成20年から平成30年の間に500回放送されている。その500回を記念しで、広島のホテルに於いて「放送500回10周年記念式典」が行われ、その式典に私も参加させて頂きました。
参加された方々の中には、中国管区教化センター5代目統監鈴木聖道師・6代目田中哲彦師の懐かしい方々の姿や、私たちが投稿したものを読んで頂くアナウンサーの中司弘子様の姿もありました。また、放送番組のキーステーションになっているRCC の関係者、曹洞宗伝道部長、センター布教師等も臨席され和やかな祝宴でありました。
曹洞宗中国管区教化センターのホームページを開いて見ると、ラジオ放送のページ項目に次のような案内が記されています。
平成20度より布教教化の新たな取り組みといたしまして、各教化センターにて広報体制の充実を図るべく指示が出されておりました。
中国管区でも「教化資料企画制作委員会」を結成し、協議を重ねられました。
檀信徒皆様に配布できる仏事に関するリーフレット、僧侶に関するリーフレット、又マスメディアを利用する事は可能なのか、等々のご意見がありましたが、多くの方々に周知できるラジオ番組を第一に進めてまいりました。
ラジオ局に伺いますと、幸いに時間帯がいただけるとの事で、7月の番組改編にあわせ、委員各位のお力添えを頂き、「曹洞宗」の時間を持つことが出来ました。
つきましては、下記一覧表の通り、RCC(広島)をキーステーションに、RSK(岡山)、KRY(山口)、BSS(山陰)に発信しております。
短い時間ではございますが、折々のお話や、宗門の行事告知にお耳を傾けていただければ幸いに存じます。
と、上記の様な事が書かれていますが、第1回目を放送されるまでには、大変な苦労があったのではないでしょうか。当時の関係者の皆様に敬意を表します。
因みに記念すべき第1回目に放送された山口県の安養寺住職渡辺勝人師の2008年7月1週放送の原稿を紹介しておきましょう。皆さん記憶がありますか。私もすっかり忘れていました。
良寛さんのお話しをいたしましょう ある日、良寛さんの親せきから、「息子に説教をしてやってください。生活がどうも乱れています。どうかお願いいたします。お久しぶりです。お泊り掛けでおいでくださいませ。」の案内もありましたので、良寛さんは「ハイッ」と応じられました。 四~五日もおろか、一週間もあっという間、過ぎてしまいました。 「ありゃ、良寛さん息子に一言も説教らしいことを言わない。どうしちゃったんだろう、きれいに忘れてしまっているのではないか。」とやきもきしていました。 「あゝ、そうだ。私も用事があったっけ。」と良寛さんは「お寺に明日帰ります、」と言われました。「なーんだ、七日も十日も泊まらせたのに、息子に意見の一つも言わないなんて。やれやれ」と身内は呆れてしまったことでした。 いよいよ帰る日に、「では大変お世話になりました。悪いけれども、どうもこの頃は億劫になって申し訳ない。草鞋の紐を結んでくださらんか。」と良寛さん。甥は言われるままに、草鞋の紐を結んでいました。ところが、甥の手に温かいものが。ふと見上げると、良寛さんの涙いっぱいの顔でありました。 以後、甥は真面目に家業に就いたそうです。 良寛さんは一言も発せられませんでした。良寛さんは、慈愛を持って彼を導いたのです。時には無言も非常に大切な言葉なんです。身体全体が言葉なんです。口先だけが言葉ではありません。全体からほとばしるものが、愛の言葉です。
|
500回の積み重ねは大きな宝であります。今後も聞いていただくことを期待していります。今まで放送されたものを覚えていらっしゃいますでしょうか。
私も放送のある日は毎回聞くようにしていますが、右から左へと通り抜けてしまいます。
教化センーでは今まで放送されたものを冊子にして発行されています。問い合わせて見てはどうでしょうか。
(所長 青木壯文)